User Report 011

2023.12.04

幅広い治療を行う歯科医院での歯科用両側性筋電気刺激装置の活用例

みはる矯正・歯科医院

一般歯科に加えて、マウスピース矯正、歯科鍼灸治療、スポーツ歯科治療、さらにアンチエイジングや漢方処方など幅広い診療を行っているみはる矯正・歯科医院。歯だけではなく全身を診ることで疾患の根本原因から改善に取り組むスタイルは、地域の方やアスリートなど多くの支持を集めています。今回は、潜在的な患者様も含めて多くの人を悩ませる顎関節の治療に役立つ歯科用両側性筋電気刺激装置について伺いました。

歯科医師であり鍼灸師でもあるというユニークな肩書きをお持ちの関根院長ですが、なぜ両方の資格を取得されたのかお聞かせいただけますか?

まず私は大学で鍼灸を学び、鍼灸師になりました。その後アスレチックトレーナーとしてアメフトのチームに帯同していた時に起こったアクシデントをきっかけに、スポーツにおける歯の重要性に気づきました。思い立ったら即行動ということで、大学で改めて歯学を学び直し、それまでに培った鍼灸師やトレーナーとしての知識を掛け合わせて、当時はあまりいなかったスポーツ歯科の専門家を志しました。

スポーツにおける歯の重要性に気づいたきっかけは、どんなことだったのですか?

アメフトの世界ではマウスガード着用が義務化されていて、当時は噛み合わせと運動機能の関係性について研究されはじめた時期でした。そんな中、ある選手の右膝前十字靭帯が切れてしまい1年間のリハビリを余儀なくされてしまいました。私も復帰に向けて手伝いましたが、復帰直後のプレーで今度は左膝の前十字靭帯が切れてしまい、選手は残念ながら引退してしまいました。その時に、どうしたら怪我を未然に防げたのか?競技のパフォーマンスだけでなく、身体の基本的な部分からサポートするためには何ができるのか?と考えた時に、スポーツに起因する歯科的な外傷を予防し、選手本来の能力を最大限に発揮できるよう歯学的な観点から管理する「スポーツ歯科」という分野に辿り着きました。

歯科治療に鍼灸を取り入れる事になった経緯について教えてください。

人間をひとつの有機体として捉えた時に、患者様の症状が軽減されるのであれば歯科でも鍼灸でも、治療法はなんでも良いと思っています。実は歯科の疾患に対して鍼灸治療の組み合わせはすごく相性が良いです。そのような考えのもと、歯科鍼灸という分野を立ち上げました。西洋医学であれ、東洋医学であれ、患者様にとって有用なものを提案していくというのが私のスタンスです。

患者様にとって有用なものを取り入れる方針の中、歯科用両側性筋電気刺激装置をお使いいただいていますが、導入の経緯と決め手についてお聞かせください。

伊藤超短波さんの物理療法機器については、鍼灸師をめざしていた大学生の頃からよく知っていて初期のものからずっと使ってきました。歯科用両側性筋電気刺激装置に関しても、ブランドに対する信頼感が元になり導入を決めました。患者様の症状に合わせてさまざまな波形のモードも使えますし、経営面では保険点数にも魅力を感じました。

歯科治療でも物理療法が応用されていることをご存知ない歯科の先生も多いのですが、関根院長はご存知だったのですね。歯科用両側性筋電気刺激装置は、どのような患者様に使われていますか?

顎関節の痛みなど、いわゆる筋症状がある方に使っています。関節とその周辺の筋肉に対して、末梢神経系の痛みをコントロールして炎症を抑えています。

顎関節の痛みを訴えられる患者様の割合はどのくらいですか?

相当多いですね。私たちは月間400〜500人くらいの患者様を診ているので全体の割合でみると低くなりますが、潜在的に痛みを抱えている方も含めるとかなりの数がいらっしゃると思います。

機器の使い勝手はいかがですか?

どんどん進化していて、以前のものより操作性は格段に良くなりました。モードの設定も簡単にできるので、患者様ごとにスムーズな使い分けができています。ただ、使っているうちにコードが絡んでしまうのは気になります。将来的にさらに技術が磨かれて、コードレス化されるのを期待しています。

導入したことによるメリットはありましたか?

一番のメリットは、患者様との心の距離が近くなることです。歯科が専門の先生たちは普段は患者様の口腔内しか触れていないと思うのですが、歯科用両側性筋電気刺激装置による治療を行うことで顎関節やその周囲の筋肉について触れることになり、必然的に患者様とのあいだに新たなコミュニケーションが生まれます。私は日頃から口腔以外の全身も診ているので当たり前のことですが、歯科が専門の先生にとっては口腔外の関節や筋肉に目を向けることで新たな発見があり、大きなメリットと言えるのではないでしょうか。心理的な観点でみても、患者様との距離が相当近くなるのでメリットしかありません。

歯科用両側性筋電気刺激装置で治療した時の患者様の反応はいかがですか?

評判は良いですよ。伊藤超短波さんの製品については、使っている我々と同じく、患者様からも信頼を得られているので反応も良いですね。

貴院ではスポーツ歯科に取り組まれていますが、その分野における物理療法の可能性をどのように考えていらっしゃいますか?

スポーツ歯科という分野は比較的歴史が浅く、これから大きく発展する可能性を秘めています。今は顎関節やその周辺の筋肉に対する理解や知見は歯科医の間でも足りないかもしれませんが、伊藤超短波さんが今回のように歯科用両側性筋電気刺激装置を通して啓蒙してくださることによって歯科治療における物理療法の活用が広まることに期待しています。最初にお話ししたように私のキャリアの出発点は鍼灸師で、これまでさまざまな物理療法を活用してきたので、そのポテンシャルについては大いに信頼しています。もし可能であれば、直接的な歯科治療ではありませんが温灸器をつくっていただけるとありがたいです。温暖化によって身体を冷ます機能が求められる中で、逆に温めることによる治療の必要性が増して新たなトレンドになるのではないかと思っています。歯科治療の分野も含めて、伊藤超短波さんの開発力には期待しています。これからもよろしくお願いします。

PROFILE

関根 陽平 院長

1998年、明治鍼灸大学 鍼灸学部を卒業。鍼灸師として働く傍ら、アメリカンフットボールチームのアスレチックトレーナーとして活躍。2004年に昭和大学歯学部を卒業し、2010年に同大学の歯学部大学院を修了。その後、2016年に弘前大学医学部大学院を卒業。みはる矯正・歯科医院 院長、鍼灸治療院 勝笑堂 院長、スポーツ歯学研究所 VictorySmile 所長、みはる矯正・歯科医院AC(アスリートクラブ)代表兼ヘッドコーチ、東京歯科鍼灸統合勉強会(TIADS)主宰、パリオリンピック男子円盤投げ日本代表候補・安藤夢ヘッドコーチ、東京羽田ヴィッキーズ チームデンティスト、新東京歯科衛生士・技工士学校 アドバイザーと、幅広い分野で要職を務めている。

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