物理療法機器で大きく広がる回復期リハビリテーションの選択肢
八千代リハビリテーション病院
千葉県八千代市にある回復期リハビリテーション病院の八千代リハビリテーション病院は、患者様の自立を助け、自宅・職場に復帰するお手伝いをしています。生活の再建に向けて、各病棟に専属のリハビリスタッフを配置し、生活を意識した訓練を提供しています。
八千代リハビリテーション病院は、2006年に巨樹の会グループの関東第1号病院として開院していますが、グループ全体での位置付けはどのようになっているのでしょうか?
妻鳥院長開院当初の千葉県はセラピストの人数が少なく、リハビリテーション過疎地域でした。そこで、セラピスト育成のため養成校を創りました。
そのカリキュラムでは臨床実習が必須で、受け入れ施設として開院したのがはじまりです。このような経緯もあり、今でもリハビリスタッフ主導の文化が息づく病院になっています。
翌年、八千代市米本に移転された理由はありますか?
妻鳥院長元々は臨床実習をすぐ行えるように養成校に近い八千代台にありましたが、古くて手狭でした。超高齢化社会への変化や、生活習慣病に起因する脳卒中患者数の増加などで、リハビリテーションのニーズが高まることが予測されたため、敷地が広い現在の場所に移転しました。
回復期リハビリテーション病院として、地域との連携はどのようにされていますか?
妻鳥院長急性期病院から患者様を円滑に受け入れ、退院後の生活を安心して送れるように、急性期病院・在宅療養に携わる方々と情報共有や意見交換を定期的に行っています。
山田PT地域の皆さんとの交流もあり、当院にお招きして行う健康教室や行政や町のコミュニティが企画するイベントなどにも講師として参加しています。
千葉県でも最大規模の240床の病床数。地域医療としてどのような役割を担っていますか?
妻鳥院長回復期は急性期と生活期の中間にあります。急性期病院から回復期病院に患者様が移行しないと、新しい患者様が急性期病院に入院できないため、しっかり受け入れられる体制が必要です。一人でも多くの方に集中的な訓練を提供し、役割を果たしたいと考えています。
貴院には、どのような特色がありますか?
山田PT毎日最大3時間リハビリの時間を提供していることです。最大240名の患者様と訓練するため、総勢209名(2022年4月時点)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が在籍しており、チーム医療で使命を全うしています。その結果が、全国平均よりも高い平均提供単位数と在宅復帰率に表れています。
妻鳥院長セラピストと看護師が主たるチームの原動力となって患者様を支えています。昼間のリハビリはセラピスト中心に、夜間の睡眠や排泄などは看護師がメインで、双方が車の両輪のように患者様を24時間見てくれています。
私は、そのバランスが崩れた時にアドバイスをする感じで、セラピストと看護師がやりやすいようにするにはどうしたらいいか、という事を常に考えています。
院内の設備やレイアウト等で、どのような工夫をしていますか?
妻鳥院長広い敷地を活かして、居室やデイルームのほか、廊下幅を規定よりも広く設計しています。これにより病棟内での訓練も、日常生活に近い形でのシミュレーションが可能になっています。
山田PTリハビリテーション室は、訓練室内を周回できるスペースを確保して機器を配置しています。また、目的に応じて訓練が行えるエリアも設けています。屋外歩行路には、退院後に想定される傾斜や段差を設けて実践的な歩行訓練を実施しています。地域柄、農業に携わる患者様も多いので畑を作り野菜の栽培も取り入れています。出来た野菜は、調理訓練に活用しています。
リハビリテーション室では、どのような製品を使用していますか?
山田PT電気刺激装置、超音波治療器、超音波骨折治療器、歩行神経筋電気刺激装置、温熱治療器などを使っています。
それらの製品は、どのような理由で導入しましたか?
山田PT当院は、年間900名を超える患者様が新たにご入院されます。そのうち約半数は、脳血管障害や脊髄損傷といった中枢神経系の疾患により日常生活動作能力が低下している方です。運動麻痺や感覚障害、異常筋緊張やそれに起因した二次的な疼痛のような症状に対して運動の促通や疼痛緩和などを目的に導入しました。超音波治療器や超音波骨折治療器は、人工膝関節などインプラントのある患者様に対する軟部組織への照射も可能で、術後の関節へのアプローチや骨折部位の治癒を促進する目的で導入しました。歩行神経筋電気刺激装置は、診療報酬の改定により運動量増加機器加算の対象機器として認可されたことも導入の理由の一つです。
製品を導入して、好影響はありましたか?
山田PT物理療法を併用することで、身体機能を高める一助になっています。例えば、運動麻痺に対して電気刺激を活用することで手指や下肢の運動が促通され日常生活動作能力の向上につながっています。正しい運動を再学習することで異常筋緊張の緩和やそれに伴う疼痛の軽減にもつながっています。患者様からも、動けなかった手足が動きやすくなったという声を聞きます。疼痛も緩和することで起きることや立ち上がることに意欲的になられる方もいます。
それぞれの機器をどのように使い分けていますか?
山田PT歩行神経筋電気刺激装置に関しては、ポータブルなので歩行訓練中に使用することが多いです。離れた場所からでも通電のON/OFF が切り替えられるスイッチで、歩行周期のタイミングに合わせて刺激を入れることができるため、一連の動作の中で筋活動を促すことができて助かっています。電気刺激装置に関しては、目的に応じた治療プログラムが多く設定されていることと、患者様の状態に応じて電気刺激の種類も選択できるので適応対象の幅が広がっています。また、柔軟性を高めるのに役立つ超音波治療器とのコンビネーションで使用することがあります。
今後、物理療法機器に期待するものはありますか?
山田PT 日常生活動作の訓練場面でも使用できる機器や、複数の関節運動に対して刺激のタイミングが調整できる機器があるといいですね。必要とする患者様のために、より良い製品開発を期待します。
PROFILE
妻鳥 元太郎 院長
1983年防衛医科大学校卒、海上自衛隊江田島地区病院、国立療養所広島病院外科研修、海上幕僚監部衛生企画室、海上自衛隊第1掃海部隊群司令部医務長、防衛医科大学校医学研究科 外科、海上自衛隊呉衛生隊長、自衛隊佐世保病院診療部長、海上自衛隊自衛艦隊司令部衛生幕僚(医務長)、自衛隊大湊病院長、自衛隊佐世保病院長、防衛医科大学校 防衛医学講座教授、2017年巨樹の会蒲田リハビリテーション病院、2018年巨樹の会赤羽リハビリテーション病院副院長、2019年巨樹の会八千代リハビリテーション病院院長
PROFILE
山田 和典 理学療法士
2009年八千代リハビリテーション学院理学療法学科卒業。卒業後、八千代リハビリテーション病院に入職。グループ病院において回復期・急性期リハビリテーションを経験し、現在は八千代リハビリテーション病院で係長代理として勤務。外来・訪問・通所リハビリテーション部門を担当している。運動器認定理学療法士。
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