User Report 005

2023.06.08

柔道の総本山にあるクリニックで物理療法の利点と可能性を実感

講道館ビルクリニック

講道館ビルクリニックは、全日本柔道連盟 医科学委員会に所属する医師を中心に、内科、整形外科、人工透析のクリニックとして2001年に開院されました。コロナ禍の影響もあり、2021年4月より診療科目を整形外科、リハビリテーション科、泌尿器科としてリニューアル。柔道界はもとより、近隣でお勤めの方や部活動などでスポーツに励む学生からも厚い信頼を獲得しています。

まずは、木田先生が院長としてクリニックを引き継がれた理由と、開院から20年続いた診療科目を2021年にリニューアルした経緯をお聞かせください。

当院は2001年に開院したクリニックです。私は学生時代に日本大学医学部で柔道部に所属していたことがご縁で、2009年より非常勤医師として勤務してきました。それからしばらく経った2020年頃に、前院長が後継者を探していました。これまでお世話になってきた場所をなくすのは勿体ないと感じたことと、柔道を通じて出会った人たちとの縁も大事にしたいという思いから、私が引き継ぐことになりました。

奇しくもその頃から世界中がコロナ禍に見舞われ、一般外来の休診を余儀なくされました。長年当院に通っていただいていた患者様の透析治療も継続が困難な状況でした。このままでは、柔道の総本山である講道館にあるクリニックが消滅してしまうという危機感から、整形外科と運動器リハビリテーションを中心とした診療内容にリニューアルしました。

リニューアル後、特に力を入れている点はありますか?

私自身が柔道経験者で、全日本柔道のチームドクターとして国際大会等に帯同した経験もあることから、スポーツ外傷・障害の診断、治療、その後のリハビリテーションに力を入れています。リニューアルを機にリハビリ室のスペースを広くとっており、そこは強みになっていると感じています。また、私は肩関節治療を専門としているので、肩に不安がある患者様の治療にも力を入れています。

スポーツ整形外科や肩関節治療が特長的ですが、どのような背景、きっかけで取り組まれるようになったのでしょうか?

学生時代に骨折や腰痛、肉離れなど多くの怪我を経験し、その際にお世話になった接骨院の先生の影響もあり、自分のように怪我した選手をケアしたいという思いから、スポーツ整形外科医を志しました。肩関節治療に興味を持ったのは、その分野で有名な医師の外来と手術を見学する機会があり、憧れの気持ちを抱いたのがきっかけでした。リニューアル後はメダリストの柔道選手などもリハビリに来ていただいています。
また一般の方は、ホームページをご覧になって遠方からお越しになる方や、近隣のビルにお勤めの方もいらっしゃいます。趣味や健康維持を目的にスポーツをされている40〜50代くらいのアクティブな方が多い印象ですね。部活動を頑張っている中高生も含めると、患者様は全体的に若い方が中心です。

みなさん、どのようなリハビリを行っているのですか?

柔道の場合は、畳の上の状況をなるべく再現するためにマットを用意して裸足でトレーニングを行っています。動きを確認する際にリハビリ室の広さが活きています。競技経験者の理学療法士も在籍しているので、選手にとっての駆け込み寺のような感じになっています。彼らの役に立てていることを実感した時は、開業してよかったなと思います。
一般の方は、まず診察で一人ひとりの背景を考慮して一緒に治療方針を見つけています。怪我の状況によっては、練習の中断や手術をお勧めしています。また、物理療法や術後のリハビリ等を行う場合もあります。趣味や健康維持のためにスポーツをやっている方の中には、身体のメンテナンスに対する意識がおろそかな方もいらっしゃるので、医師と理学療法士が連携して適切なアドバイスを行っています。

物理療法も行っているとのことですが、どのような機器を使用していますか?

電気刺激、超音波、温熱、牽引などの機器を利用して、痛みの緩和や機能回復を図っています。電気刺激装置では、広範囲に深部を刺激できる「立体動態波モード」を使うことが多いです。患部やその状況に応じて、「3D EMSモード」や「3D MENSモード」も使い分けています。超音波や体外衝撃波の機器もよく使っています。患者様にとっての物理療法のメリットは、継続的に通院しやすいという点ではないでしょうか。患者様によっては電気刺激の治療だけを受けに来られる方もいらっしゃいます。また、治療中の時間を使って、医師や看護師、理学療法士とコミュニケーションが取れるのも大きいと思います。我々も患者様とお話をしながら治療方針を決めたり交流したりできるので、とても有意義な時間になっています。正直なところ、当院で物理療法機器を使うまでは気づかなかったメリットです。

物理療法機器を導入して、患者様の変化や治療効果でいい影響はありましたか?

腰痛、肩痛、首痛を抱える患者様で、注射やリハビリを行うまでではないが、薬だけでは足りないと感じる方がいらっしゃいます。そのような方に、例えば電気刺激療法を行う場合もあります。多くは治療効果を実感して、継続的に通院していただいています。電気治療といえば高齢者の方のイメージがあるかもしれませんが、当院では働く世代の方がよくお越しになっています。はじめのうちは、治療した日はいいけれど翌日には患部が硬くなってしまうというようなケースでも、続けているうちに治療の間隔が開いてきて、我々からみても良くなっていることを実感しています。

患者様によって、使い分けていらっしゃるのですね。

そうですね。特に痛みが長引く患者様は物理療法機器をよく使用しています。部分的な治療ができるプローブを使うようになってから、細かなケアができるようになりました。それまで注射を繰り返していた方に、「立体動態波モード」で二週間ほど治療を続けたら、注射が必要な間隔が開いたということもありました。このように患者様の身体への負担を減らす効果も期待できます。
リハビリ中の治療でどのような物理療法を選択するかは理学療法士に任せています。いつのタイミングで、どのような治療を行ったかをカルテとは別のシートに記入して把握できるようにしています。医師の方からピンポイントで治療を依頼したい場合は、理学療法士にわかるように患部にシールを貼って指示することもあります。

最後に、物理療法機器に対する希望、要望をお聞かせください。

私も使ってみるまで効果やメリットに気づかなかったとお話ししましたが、整形外科の研修医の方など病院勤務の方にもぜひ物理療法機器の良さを知ってほしいですね。私自身、物理療法に対する印象が大きく変わりましたから。実際、近所のクリニックの先生にご挨拶に伺った際にも、ご自身が怪我をした時に物理療法を行ったら良かったとその先生もおっしゃっていました。やはり医師本人が実感することが大事なのですね。医療関係者と患者様の双方に、物理療法の良さがもっと広まることを願っています。

PROFILE

木田 将量 院長

日本大学 医学部を卒業後、河北総合病院、同愛記念病院の整形外科に勤務し、科長などを歴任。講道館ビルクリニックでは、2009年より非常勤医師として勤務。2021年4月に院長に就任。専門は、肩関節外科、スポーツ整形外科、運動器リハビリ。日本整形外科学会認定 整形外科専門医、日本スポーツ協会認定スポーツドクター、日本整形外科学会認定 スポーツドクター、加圧トレーニングインストラクターの資格を持つ。また、全日本柔道連盟 医科学委員、全日本柔道 チームドクター、各種柔道大会 救護など、柔道家としての経験を生かした活動も行っている。

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