User Report 002

2021.10.28

複合型スポーツ施設における物理療法機器の活用事例

MTX ACADEMY

MTX ACADEMYは、独自のトレーニングメソッドとケア・メンテナンスをあらゆるスポーツに応用。自分のベストプラクティスを見つける「プラクティス」、身体の使い方を徹底的にトレーニングする「ストレングス」、身体を最高の状態に整える「リカバリー」と3つのフィールドで構成され、アスリートのみならず小さいお子さまからご年配の方まで、どなたにもご利用いただける複合型スポーツ施設です。

トップアスリートからお子さま、ご年配の方まで幅広い方をサポートされていますが、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?

私たちMTX ACADEMYは、トップアスリートのサポートをしているトレーナー陣が、就学児の子どもの指導からご年配の方のケアまで行うのが特徴で、運動教室からリハビリ訓練までさまざまなことを行っています。障害のある方や事故に遭った方、運動のしすぎで腰椎分離症になった方に装着型ロボットを使うなど、治療とトレーニングをセットにしたプログラムも独自につくっています。身体を資本とするトップアスリートに対するサポートで得られた知見を、一般の方にも活かす「MTXメソッド」が強みだと思います。

「プラクティス」「ストレングス」「リカバリー」と3つのフィールドに分かれていますが、設備やレイアウトで工夫された点はありますか?

ボールを使った練習など、さまざまな競技に対応するために、まずは天井の高さを重要視していました。都内でこれだけの高さがある施設は滅多にあるものではないのですが、条件に合った物件が奇跡的に見つかって、現在の場所に施設をオープンすることができました。
設立当初から、自分に合った練習方法を見つける「プラクティス」、身体の使い方をトレーニングする「ストレングス」、身体の状態を整える「リカバリー」の3つを連携し、効果的に機能させるというコンセプトがあったので、ロフトを増設してリカバリーフィールドをつくり、地下をプラクティスフィールド、4階をストレングスフィールドにするなど、設備や施設のレイアウトもコンセプトに沿って設計されています。ほかにも立体動態波やEMSなどの治療器を使ったフェイシャルやボディトリートメントなど美容に関するプランもあり、個室も用意しています。

プラクティスフィールド
ストレングスフィールド
リカバリーフィールド

「リカバリーフィールド」では、どのようなことを行っているのですか?

リカバリーは、練習やトレーニングと密接な関わりがあります。私は、治療家なので競技ごとの身体の使い方に関しては専門外ですが、例えば野球の場合でいうと、バットを振ったら腰が痛いというのをケアしてあげるのが私の仕事です。ケアした状態で、正しい動作をプラクティスフィールドで覚える。その動作ができないのであれば、ストレングスフィールドで弱い部分を鍛えるというように、それぞれの専門家がお互いを信頼しあい、連携しながら一人ひとりのお客様をサポートしています。
今までの治療家の仕事は、痛みを取ることが主なものでした。しかし、練習やトレーニングの専門家と一緒に取り組むことで、痛みの原因が動作にあったり、身体の弱さにあったりということが早めに分かるようになったと感じています。いくら正しい身体の使い方を指導しても、痛みがあれば半分以下のことしかできません。そこにいち早く気がついて、身体を万全にしてから練習やトレーニングをしたほうが効率よく多くのことが得られるわけです。このような環境は、我々にとっても有意義ですし、何よりお客様にとっても安心してお任せいただけるのではないかと思います。

リカバリーフィールドのディレクターとしてご活躍されている渡邊先生ですが、治療家を志したきっかけはなんだったのでしょうか?

私自身も、大学までアメリカンフットボールをしていました。卒業後も選手として続ける道も頭に浮かびましたが、怪我も多かったので、サポートする側に就こうと考えました。私と同じように怪我に苦しむ選手を、一日でも早く復帰できるようにしてあげたい。それが最初の動機でした。

治療にあたって、大事にされていることはなんですか?

骨のアライメントです。特に左右差や高さをみるようにしています。筋肉は骨についているものなので、骨の位置が歪んでいると、筋肉にも影響がでてきます。いかに筋肉にストレッチをかけても、骨の位置は戻ることはありません。骨の位置が悪いと、身体の状態も悪くなってしまう原因になるので、そこを重要視しています。

手技と物理療法は、どのように使い分けていますか?

アライメントを整えるにあたって、根本原因にアプローチするために筋肉を緩める必要があります。患者様の状態に合わせて手技でストレッチをしたり、マッサージをしたり、超音波治療器を使ったりしています。割合としては手技のほうがやや多い感じです。物理療法を行う場合は、怪我なのか、慢性期なのかでもアプローチの仕方は変わってくるので、いろいろな機器をアレンジして使っています。アライメントを整えた後も、硬結や圧痛がある場合には、超短波で温熱を加えたり、超音波や立体動態波などを使い分けたりしながら治療しています。硬さや痛みがあるときは、手技は控えて物理療法機器を取り入れています。豊富な種類の治療モードやプローブを使い分けて、最適な治療を心がけています。

物理療法機器を取り入れるメリットはなんですか?

例えば超短波治療器は、肩や肘、腰などさまざまな部位に使用できるので便利ですし、患者様も服を脱ぐ必要がないので、スムーズに施術に入れます。また、治療の状態を画面表示や音声が示してくれるので患者様の理解も深まっています。
他にも手技と組み合わせて使用することで治療時間が短縮することを実感しています。トップアスリートに限らずあらゆる人に、なるべく痛みのない時間を過ごしてもらうためには、物理療法とのコンビネーションは有益だと思います。
私自身も治療家として、いろいろな物理療法機器を導入することで、治療の幅が広がったと感じていますし、今までやってきたことにプラスアルファされていくので、年々やりやすさが増しています。

PROFILE

渡邊 健二 先生

アメリカンフットボールでの自身の怪我や、痛みが取れない身体の悩みなどから治療家を志す。整骨院で15年以上の経験を積む中で、筋肉にアプローチをしても良くならない、まずは骨を正しい位置に戻してあげることが重要だと気づき、独自の施術法を考案。手技と物理療法のコンビネーション治療を得意とし、海外で活躍するトップアスリートをはじめ、老若男女問わず幅広い層から支持を受けている。

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